会長あいさつ
2010.05.15 Saturday

私は、「オ・ライ・ティモールの会」会長の大坪義彦です。「オ・ライ・ティモール」とは東ティモールの人々が作った自分達の応援歌で、日本語で「ティモールの国」という意味です。
この歌がこの会の発足を導いてくれました。
私は東ティモールの国連PKOに参加した折にこの曲に接し、同国の復興を願いつつ同僚と日々口にしたこの歌を、帰国後も是非日本の皆さんにお伝えしたいという思いがありました。
その思いは、第3代在東ティモール北原巌男日本国大使を通じて、現在当会副会長である沖縄のソプラノ歌手宮良多鶴子に届き、今は彼女がこの歌を日本の皆様に紹介しております。
宮良多鶴子は、2008年の独立宣言記念日にグスマン首相の招待を受け現地でこの曲を歌って以来、主に不遇な環境にある子供達の励ましもしたいと、その後も数次にわたり渡航を重ねてまいりました。
またその間、東ティモールにおける不発弾事業に携わった当会事務局長の宇良一成や私と同様に国連の活動に参加した者達、更にはこのような気持ちに共感していただいた方々の気持ちが結集して、去る本年5月20日の東ティモール独立記念日に在日アルベス東ティモール大使にもご臨席を賜り、「オ・ライ・ティモールの会」の発足となりました。
当会は、営利を目的とせずかつ政治的活動に及ぶことのない、東ティモールへの何らかの関わりを持った者あるいは何らかの関心をもつ者の集まりとして発足いたしました。
その目指すものは、東ティモールの人々との間の交流や会員相互の親交等を通じて、国際社会において政治的、物質的に利害や関心の中心に置かれない国の人々に対しても、どんなに僅かな数であっても視線を注ぐものがいることを伝え、どんなにささやかであっても何らかの手を差し伸べるものがいることを知ってもらうことにあります。また、これを国家や大企業ではなく個々人の立場から行おうとすることに、当会の基本的な立場があります。
東ティモールは2002年の独立以来、国際社会の援助の下に、いくつかの政治的紆余曲折を経ながらも、全体的には平和的・経済的安定を緩やかに手にしつつあります。
しかしながら、例えばある地域に生きる1500名もの子供達は、日々の糧も十分には得られないばかりか、水汲みを日課とし、更に国家の長期的発展には不可欠である教育も十分には受けられない状況にあります。
このような状況は東ティモールの各地や首都ディリ地区においても見られるものであり、私達は、この子供達の隣人のように、このような状況を承知しながら可能な励ましや手助けをして、自らの国を自ら考えていける東ティモール人として彼らが大きく成長していくことに期待をもち続けたいと考えております。
オ・ライ・ティモールの会 会長
大 坪 義 彦